2021/03/27

衣服としての楮布』には壁があるように感じる。網目のような繊維の特徴から細く裂けないので細い糸が出来ない。そして織り上がった布は固くて体になじまない。しかし平織では難しいと思われることが綟りを試みたことで越えられそうな気がする。綟ることで太くて立体的な糸と糸の間に隙間が出来て柔らかさが布にでてくる。また、平織とはちがう素材感が表れるのもお面白いと思う。

 

作品展:

ギャラリーバンサンギャラリーバンサン(徳島:鳴門) 616日ー627  

楮の株。4月中旬には芽吹く

綟り織り(腰機)

籠綟り。紙糸()と楮糸()


2021/01/17

 1月は楮の収穫の月。今年の作柄は凶。葉を落とした枝の先はカミキリムシの蝕害で全体に真っ白。それでも刈り取らないわけにはいかないので一本一本切っていくと、酷い蝕害の跡のある中にもふと、無傷の楮があるのに気づく。それらにやる気をもらって切り進んでいく。そうするとよい楮は私が一年で使う分くらいは十分にあった。落胆せずによく観察し最後までやってみることの大事さを楮に教えられたようだ。

 

   今年も暮らしの中に楮布があるといいなと思ってもらえる作品を作っていきたい。

楮蒸し作業

地機織り

楮布八寸帯地の模様